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先日あるカメラマンの講習会に参加して、昔写真に凝っていた頃のことを思い出した。高円寺駅の近くに現像する機材一式を備えた貸暗室があった。そこで現像をし、水に付けておくと、乾燥させておいてくれる。翌日ワクワクしながら写真を受け取りに行ったものだ。 その後、暗室とは無縁になってしまった。旅行に行っても、写っていれば良いからと、コンパクトデジカメばかり使っている。構図をそれほど気にするということもない。まして、絞りやシャッター速度など考えたことも無い。 先の講習会で絞りやシャッター速度の話を聞くうちに、昔衝撃を受けた1枚の写真のことを思い出した。その写真は、ある老婆の顔を写したもので、顔のしわがくっきりと出ていて、その人の生き様まで写されているように思われた。撮影したのは、土門拳さんだ。そういえば、土門拳さんも押入れ暗室から始めたと聞いた。 あの老婆の写真をもう一度見たいと思って、土門拳さんのことを調べることにした。「土門拳の写真撮影入門」という本があったので、早速購入した。 ・都築正昭「土門拳の写真撮影入門―入魂のシャッター二十二条」近代文芸社 ISBN4-7733-7168-4 土門拳さんはすごい人なんですね。自らの肉体をカメラと一体化させるための訓練に熱心であったと書いてある。さらに、 「ぼくはそのために、ライオン歯磨のラの字を目標にして、カメラ保持、ファインダーのぞき、シャッター切りという一連の操作を一組にしたトレーニングを横位置五百回、縦位置五百回、合計千回ずつを毎日晩御飯の食休みにやった。本当に撮影しているときの気分を出して、毎日千回シャッターを切った。それも二ヶ月ほどで完全にものにできた」 土門拳さんの作品集として、「風貌」がある。この中に老婆の写真が入っているのではないかと思うので、本が届くのを待っているところだ。 土門拳の写真撮影入門―入魂のシャッター二十二条
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